令和5年9月23日(土・祝)~11月26日(日)
小松市立本陣記念美術館
一般300円
団体250円(20名以上)
※こまつミュージアムパス利用可
※高校生以下、市内在住の65歳以上(要証明)は無料
※障がい者手帳を有する方または「ミライロID」アプリ提示者とその介護者1名は無料
月曜日(10月9日開館)、10月10日、11月24日
画家はなぜ絵を描くのでしょうか。表現者はなぜ表現を日常とするのでしょう。小澤基弘は強迫神経症克服のため一本の鉛筆の先端を見つめることから始まりました。英文学者となるため英文科へ進学したにもかかわらず、その後描くことへの切望から美術大学へ入学し直すといった、当初から異例の経歴をもちます。その後は、自身の感性のまま、取りつかれたような思いを払拭する如く描き続けることになります。一方、いわゆる具象画の芥川賞などと言われた安井賞や毎日新聞社の現代美術展などへの出品、度重なる個展等での発表など、作家活動において評価を受けてきた画家です。このような評価に反し、自身はタブローでの大作を描き続け、作品は自身の五感で受けた情報に対し払拭するように表現方法や内容が変化し続けてきました。そして自己解放の道に至ります。表現された作品群はエネルギーに溢れ、私たちを釘付けにし、刺激し、訴えかけます。作品を追って小澤ワールドを紹介し表現の深奥を体感する展覧会です。(小澤基弘:小松市主催の宮本三郎記念デッサン大賞展審査員)
なお、第一展示室では、館蔵品展として、一見の価値ある選りすぐった本陣コレクション6点を展示します。
-展示構成-
エントランス: 1.日々のドローイング ~自己解放~、第1展示室:館蔵品展 ~珠玉の本陣コレクション~、第2展示室:2.気になったことがあります~絵具に託して~、第3展示室:3.さらに気になったことがあります~表現は土地との関係性によって変わる~・ 4.気づいたことがあります~気配からの出発~、展示ケース外:5.見えないものを表現してみたい~未知のヴィジョンを求めて、第4展示室:6.さらに気づいたことがあります~重要な本質~、第5展示室:7.日々の作品変化、8.わたしの日常へ
-みどころ-
一人の画家を取り巻く環境や社会から受ける繊細な感性が作品となって表現されています。また、そうせざるを得ない必然性がありました。画業40年以上、タブロー約400点、ドローイング約9000点から選び抜かれた作品群の展示となります。また、自身のルーティンであるドローイングは、エントランス全面に展示され、圧巻となるでしょう。
-小澤基弘氏・紹介- (こざわ もとひろ 1959-) 画家・埼玉大学教育学部 教授
愛知県生まれ 1983年愛知県立大学文学部英文学科卒業 1988年筑波大学芸術専門学群洋画コース卒業 1990年筑波大学大学院修士課程芸術研究科修了(芸術学修士) 1992年埼玉大学教育学部講師(93年助教授、2006年より教授~現在) 1998年文化庁芸術家在外研修員(パリ国立高等美術学校) 2003年東京学芸大学連合大学院博士課程助教授(兼職、現在教授) 2005年論文博士(筑波大学) 2008年西オレゴン大学教養学部美術学科客員教授(9月~12月) 2010年東京大学大学院教育学研究科客員教授(~12年まで) 2017年より中国江西師範大学美術学院客座教授(~現在) 放送大学客員教授(2017~21年、23年~現在)
研究者として、認知科学や工学等の知見を学際的に融合することで、絵画表現が創造性育成にもたらす効果を実証的に研究している。特に主観的素描であるドローイングや本能的描画行為としてのラクガキの創造的効果を現在は主たる研究領域とする。また制作者として40年にわたりドローイングを続けている。2013年第2回宮本三郎記念デッサン大賞展の記念フォーラムにて基調講演「デッサン&ドローイング-絵画の発生もしくは思考の一形態」を行う。その後、第4回展より審査員。「ドローイング千枚プロジェクト(のち、ラクガキ1000枚プロジェクト)」ワークショップを全国展開、小松市でも多数実施。編著書も多数、2020年『ラクガキのススメ』刊行。「現代日本美術展」「安井賞展」「ドマーニ明日展」「風の芸術展ビエンナーレまくらざき展」等のコンクール出品、紀伊國屋画廊、村松画廊等での個展多数開催。アメリカ合衆国、中国、フランスでも発表の経験をもつ。